歴史と理念

概要

アワードの過去の重要な出来事のいくつかを簡単に振り返ってみると既存のアワード構造と要件がどのようはその理念と精神の根底をなす考え方もアワードがなぜ多くの人々の人生でこれほど大きな役割を果たしているのかを理解する助けとなります。 最後に、本章ではアワードの定款について簡単に説明し、アワード提供の指針となる重要な要素をハイライトします。

歴史

最初のアイディアはアウトワード・バウンドとアトランティック(現ユナイテッドワールド)カレッジとラウンドスクエアを考えた人物から生まれました。クルト・ハーンは校長となる以前ローズ奨学金受給者であり、最後のドイツ帝国宰相の私設秘書でした。彼はドイツのザーレムに寄宿学校を設立し、その後1930年代初頭にドイツを飛び出し、スコットランドにゴードンストウン校を設立しました。

エディンバラ公はゴードンストウン校においてアワードの直接の前身であるモレーバッジを修了したのです。ハーンはこのモレーバッジは自分の学校以外の多くの場所で活用できるものだと考えたのです。しかし、第二次世界大戦によってさらなる進展は妨げられ、1950年代になって初めてハーンはエディンバラ公に接触し、モレーバッジのアイディアに基づいた全国バッジスキームを設立できたのです。

1954年までにエディンバラ公は、ハーンが代表者委員会を設立してこのアイディアを承認できれば、ハーンが議長の職を務めることができると同意しました。また、最初のエベレスト遠征隊のリーダーであるサー・ジョン・ハント(後のジョン・ハント卿)もエディンバラ公に協力しました。このアイディアの最初の草案は1955年に作成され、ボランティアを行う若者やその他の関連組織に送付されました。これらの協議によって3年間の実験形式でスキームが開始されるに至ったのです。

当初の目的は15歳から18歳までの少年に対してバランスの取れた任意の自己啓発活動に参加する動機付けを行い、青年期から成人期の難しい時期を乗り越えることでした。

設立から1年以内に、年齢の下限が14歳に引き下げられ、これは現在まで続いています。1958年には少女向けのスキームが開始され、1969年には2つの異なるスキームが統合されました。1957年には年齢の上限が19歳に引き上げられ、1965年に20歳、1969年に21歳、そして1980年には24歳にまで引き上げられました。

1956年以来、アワードは進歩と成長を遂げ、今ではイギリスではエディンバラ公アワード、ケニアではプレジデントアワード、シンガポールではナショナルユースアチーブメントアワードのような複数の異なるタイトルで世界140以上の国と領域の若者に提供されています。また、ポルトガルではPremio Infante D. Henrique、フィンランドではAvarttiのようなより具体的な国内タイトルも使用されています。特定の国におけるアワードのプレゼンスの詳細に関してはwww.intaward.orgをご参照ください。

1988年5月にはメンバー間の協議及びコミュニケーション手段として、そしてアワードの原則と基準を守るために英国エディンバラ公国際アワード協会が設立されました。2012年には組織のフルネームは英国エディンバラ公国際アワード財団に変更されました。

現在、アワードの基本原則は変わっていませんが、アクティビティと提供方法は進化を続け、変わり続ける世界の要求と若者の様々なニーズに適応しています。

本アワードは現在世界をリードする若者の業績アワードとして認識されており、世界中の若者に働きかける組織によって活用されています。そのため、アワードが若者とそのコミュニティにとって意義を持ち、若者が直面する問題に向き合う力を与え、若者自身そしてそのコミュニティにポジティブな影響を与えることが重要なのです。

理念

アワードでは個人のチャレンジを重視しています。全ての個人は異なるため、若者がアワードの達成のために行なうチャレンジも異なります。アワードリーダー、評価担当者、その他のボランティアからの指導を受ける若者は自分自身、自分の関心、能力、希望について深く考え、アワードの4つの異なるセクションで自身にチャレンジを設定します。これらのチャレンジは達成するために忍耐と決意が必要なものでなければなりません。

アワードの達成を目指す参加者は落胆し、あきらめたくなることもあるはずです。ただ、最後にはチャレンジを乗り越えて成功する満足感を知り、自分自身、そして自分の人格の隠されていた部分について学び、人間として成長することができるはずです。

これらのチャレンジは個々の参加者にとって適切なレベルであることが重要です。簡単すぎると達成感はなく、難しすぎると若者は絶望して諦めてしまう可能性があります。

若者達はアワードを達成するために卓越した優秀性を示す必要はありません。成長するために個人的に困難な目標を設定し、この目標を達成するために努力するだけでよいのです。コミットメントを示すことによって若者はアワードに費やした努力の対価を得ることができます。本当の達成感を得るための近道はないのです。

最後に、若者が恐怖とチャレンジに打ち勝つ手助けをするために、アワードは彼らに経験から学習する機会を与えます。クルト・ハーンは直接的な経験から意味を見出すプロセスである「経験学習」の理念を確立する一端を担いました。

経験学習サイクル
"教育の目的は人々に価値観を形成する経験を与え、意欲的な好奇心、くじけない精神、飽くなき追求心、そして最も重要な他者を思いやる心という資質を維持することです。若者に経験を積ませないことはとがめられるべき怠慢です。"

クルト・ハーン

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